――広大な大地が広がるここは、クルスー国。
城下町には穏やかな時間が流れ、人々が幸せに暮らしていました。

そんな長閑な国に、大きな声が響き渡ります――。

『もう城の中はつまらんのじゃっ! 私は外を見に行くのじゃ!
       行くったら行くのじゃ! すぐ出発するのじゃぁぁっ!!』

――この物語の主人公、クランの退屈を訴える声のようです。


クランはこの国の、いわゆる『お姫様』。
外の世界に触れることなく、
王と王妃に、それはもう大切に大切に育てられた結果、
すくすくと順調に……大変ワガママに育ってしまいました。

そんなクランという、核弾頭の大爆発に
おろおろとする王妃。

そんな二人を見ながら頭を抱える王は、
”優秀な『メイド』を一人、傍につける”という条件をつけ、
クランを、渋々ながら、城の外へと送り出すことにしました。


――これは、
ワガママなお姫様『クラン』と、
優秀なメイドさん『ミシェル』の、
二人のドタバタな道中を追いかける物語です。